宇都宮地方裁判所 平成11年(行ウ)4号 判決 1999年8月19日
原告
松葉芸二
被告
足利税務署長 阿部伃一
右指定代理人
中垣内健治
同
須藤哲右
同
藤原一晃
同
落合三郎
同
田村一美
同
津久井文夫
同
黒尾眞澄
同
磯野宏
主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第一請求
被告が原告に対して平成九年一一月二六日付けでした平成七年分及び平成八年分の所得税に対する各更正(以下「本件各更正」という。)のうち、別表一及び二の各「確定申告」欄記載の「総所得金額」及び「納付すべき税額」を超える部分並びに平成七年分及び平成八年分の各過少申告加算税賦課決定(以下「本件各賦課決定」という。)をいずれも取り消す。
第二事案の概要
本件は、原告が、平成七年分及び平成八年分の所得税の確定申告において所得金額を算出するにあたり、原告と生計を一にする妻に対して、原告の営む事業に従事した対価として支給した給与額を必要経費に算入して計算し、これを青色申告書以外の確定申告書(以下「白色申告書」という。)に記載して提出したところ、被告において、右給与額を必要経費に算入することは認められないとして、本件各更正及び本件各賦課決定の各処分(以下これらの処分を総称して「本件各処分」という。)を行ったことから、原告が被告に対し、本件各処分の取消しを求めた事案である。
一 前提となる事実(当事者間に争いがないものとみるべき事実を含む。)
1 原告の平成七年分及び平成八年分の各所得税に関して、原告が被告に対してした確定申告、被告がした本件各処分、原告がした不服申立て及びこれに対する応答の経緯は、別表一及び二に記載のとおりである(甲第一ないし第五号証)。
2 原告は、栃木県足利市堀込町二五九〇番地三において、智学館という屋号で学習塾を営む者であるが、所得税法一四三条の青色申告書を提出することにつき所轄税務署長の承認を受けていない(甲第一、二及び第五号証)。
3 原告は、原告の妻であり、原告と生計を一にする松葉由子に対し、給与として平成七年には一八〇万円を、平成八年には三〇〇万円を支給したとして、これらを必要経費に算入し、別表一及び二の各「確定申告」欄記載のとおり所得金額を記載して白色申告書を提出した。
二 本件各処分の適法性に関する被告の主張
1 平成七年分の更正の根拠
平成七年分の総所得金額及び納付すべき税額の算出根拠は、次のとおりである。
(一) 総所得金額 一〇〇〇万六二〇七円
次の事業所得の金額と同額である。
事業所得の金額 一〇〇〇万六二〇七円
次のイの専従者控除前の申告所得金額に、次のロの原告が妻に支給したとして計上した給与額を加算し、次のハの所得税法五七条三項に規定する事業専従者控除(以下「事業専従者控除」という。)を差し引いた額である(イ+ロ-ハ)。
イ 専従者控除前の申告所得金額 九〇六万六二〇七円
原告が申告した収入金額から原告が申告した必要経費を控除した金額と同額である。
ロ 原告が妻に支給したとして計上した給与額 一八〇万円
原告が妻に支給したとして必要経費に算入した金額である。
所得税法五六条の規定によれば、原告が、原告と生計を一にする妻に対し、原告の事業に従事した対価として支給した給与額は、原告の事業所得の計算上、必要経費に算入されない。
ハ 事業専従者控除 八六万円
所得税法五七条三項一号イに掲げる金額である。
なお、原告提出の確定申告書には、事業専従者控除の適用を受ける旨記載されている。
(二) 所得控除 一四四万二〇一〇円
社会保険料控除六一万七〇一〇円(所得税法七四条)、生命保険料控除五万円(同法七六条)、損害保険料控除一万五〇〇〇円(同法七七条)、扶養控除三八万円(同法八四条)及び基礎控除三八万円(同法八六条)の合計額である。
(三) 課税総所得金額 八五六万四〇〇〇円
右(一)の総所得金額から右(二)の所得控除を差し引いた金額である(国税通則法一一八条一項により千円未満の端数切り捨て)。
(四) 算出税額(課税総所得金額に隊銑税額) 一三八万二八〇〇円
右(三)の課税総所得金額に所得税法八九条を適用して算出した額である。
(五) 特別減税額 五万円
平成七年分所得税の特別減税のための臨時措置法四条の規定に基づく額である。
(六) 申告納税額 一三三万二八〇〇円
右(四)の算出税額から、右(五)の特別減税額を控除した額である。
(七) 予定納税額 四七万九六〇〇円
所得税法一〇四条の規定により納付した第一期二三万九八〇〇円及び第二期二三万九八〇〇円の合計額である。
(八) 納付すべき税額 八五万三二〇〇円
右(六)の申告納税額から右(七)の予定納税額を控除した額である。
2 平成八年分の更正の根拠
平成八年分の総所得金額及び納付すべき税額の算出根拠は、次のとおりである。
(一) 総所得金額 一一〇二万二八三九円
次の事業所得の金額と同額である。
事業所得の金額 一一〇二万二八三九円
次のイの専従者控除前の申告所得金額に、次のロの原告が妻に支給したとして計上した給与額を加算し、次のハの事業専従者控除を差し引いた額である(イ+ロ-ハ)。以下、イ、ロ、ハの各金額の算出根拠は平成七年分と同じである。
イ 専従者控除前の申告所得金額 八八八万二八三九円
ロ 原告が妻に支給したとして計上した給与額 三〇〇万円
前記1(一)で述べたとおり、原告が妻に支給したとして計上した給与額は、必要経費に算入されない。
ハ 事業専従者控除 八六万円
(二) 所得控除 一四六万九〇四〇円
社会保険料控除六四万四〇四〇円(所得税法七四条)、生命保険料控除五万円(同法七六条)、損害保険料控除一万五〇〇〇円(同法七七条)、扶養控除三八万円(同法八四条)及び基礎控除三八万円(同法八六条)の合計額である。
(三) 課税総所得金額 九五五万三〇〇〇円
右(一)の総所得金額から右(二)の所得控除を差し引いた額である(国税通則法一一八条一項により千円未満の端数切り捨て。)。
(四) 算出税額(課税総所得金額に対する税額) 一六三万五九〇〇円
右(三)の課税総所得金額に所得税法八九条を適用して算出した額である。
(五) 特別減税額 五万円
平成八年分所得税の特別減税のための臨時措置法四条の規定に基づく額である。
(六) 申告納税額 一五八万五九〇〇円
右(四)の算出税額から、右(五)の特別減税額を控除した額である。
(七) 予定納税額 六五万五六〇〇円
所得税法一〇四条の規定により納付した第一期三二万七八〇〇円及び第二期三二万七八〇〇円の合計額である。
(八) 納付すべき税額 九三万〇三〇〇円
右(六)の申告納税額から右(七)の予定納税額を控除した額である。
3 本件各更正の適法性
原告の平成七年分及び平成八年分の総所得金額及び納付すべき税額は、前記1及び2のとおり、
<省略>
であるところ、本件各更正における平成七年分及び平成八年分の総所得金額及び納付すべき税額は、別表一及び二の「更正」欄記載の「総所得金額」及び「納付すべき税額」に記載のとおりであって、いずれも右金額の範囲内であるから、本件各更正はいずれも適法である。
4 本件各賦課決定の根拠及び適法性
原告に係る平成七年分及び平成八年分の過少申告加算税は、前述のとおり、適法な本件各更正によって、原告が新たに納付すべき税額(国税通則法一一八条三項の規定により一万円未満の端数切り捨て。)に、同法六五条一項に規定する割合一〇〇分の一〇を乗じて算出した金額であり、平成七年分が三万四〇〇〇円、平成八年分が六万六〇〇〇円となる。
原告は、本件各更正により納付すべき税額の基礎となった所得について、過少に申告していたものであり、過少に申告したことについて、同法六五条四項に規定する正当な理由も存しない。
したがって、本件各更正により原告が納付すべき税額について、同法六五条の規定により算出した前記金額を過少申告加算税として賦課決定した本件各賦課決定はいずれも適法である。
三 争点
白色申告者に対しても、所得税法五七条一項の類推適用を認めるべきか。白色申告者である原告に対し、その所得金額を計算するにあたり、生計を一にする妻に対して原告の営む事業に従事した対価として支給した給与額を必要経費に算入して計算することを認めないとする被告の本件各処分は、申告納税制度あるいは憲法一三条、一四条、一八条に違反するか。
四 争点に関する原告の主張
法が、白色申告者に対しても、所得税法二三一条の二の規定によって帳簿の備付け及び保存等の義務を課していることからすれば、白色申告者についても青色申告者と同様に同法五七条一項の類推適用を認めるべきであり、これを認めない被告の本件各処分は、申告納税制度あるいは憲法一三条、一四条、一八条に違反する。
五 争点に関する被告の主張
1 所得税法五六条の規定は、もともと個人事業は家族全体の協力のもとで家族の財産を共同で管理、使用して成り立つものが多く、それについて必ずしも個々の対価を支払う慣行があるものとはいえず、対価が支払われる場合であっても、支払われた対価をそのまま必要経費として認めることとすると、所得税の税率が累進税率であることから、個人事業者がその所得を恣意的に家族に分散して不当に税負担の軽減を図るおそれが生じ、また、適正な対価の認定を行うことも実際上困難であることから、そのような方法による税負担の回避という事態を防止するために設けられたものであり、それ自体合理的な根拠を有する。
また、同法五六条の規定は、そこに定められた要件が備わっていれば、個別の事情のいかんにかかわりなく一律に適用されることが予定されている規定であるから、本件について右規定を適用することが不合理とはいえず、原告が生計を一にする妻に給与を支給したとしても、原告の事業所得の計算上、右給与額を必要経費に算入することはできない。
2 一方、同族会社の場合との権衡上、個人と法人成りした企業の税負担の公平を図るため、所得税法五六条の特例として、青色申告者についてのみ同法五七条一項の青色事業専従者控除制度が設けられた。
すなわち、青色申告者については、法人と同様複式簿記を前提とする帳簿の備付け等が義務付けられており、また、事前に青色事業専従者の氏名、その職務内容及び給与の金額等を記載した書類の届出を義務付けることによって、同居親族間の恣意的な所得分割を排除することができることから、青色申告の特典として、青色事業専従者に給与の支払をした場合には、その労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度などからみてその労務の対価として相当であると認められる金額を必要経費として算入することを認めたのである。
これに対して、白色申告者については、法人や青色申告者と同様な帳簿の備付けが義務付けられておらず、労務の対価として個々の家族に対する給与の支払の事実を確認して、その支給額を必要経費に算入することは前述した同法五六条の立法趣旨に照らし不適当と考えられることから、一定の外形的な基準のもとに事業専従者を認定し、実際に事業専従者に給与の支払がなされたか否かにかかわらず、一定の金額を事業所得等の計算における特別の控除額として制度上認めることとされている(同法五七条三項)。
3 所得税法二三一条の二は、白色申告者であっても、その年の前々年分又は前年分の所得金額の合計額が三〇〇万円を超える者に対しては、同法施行規則一〇一条及び一〇二条の規定により、帳簿を備え付け、総収入金額及び必要経費に関する事項を簡易な方法により記録し、当該帳簿を一定期間保存しなければならないとしているが、これは、法が申告納税制度を採用していることの帰結として、納税者が自らの責任において年間所得を計算するために最小限必要と考えられる義務を課したに過ぎず、その内容も、青色申告者や法人と同じような複式簿記を前提とした帳簿の備付けを義務付けたものではなく、それよりもゆるやかな方式により収入や経費について記帳することを義務付けたものである。
したがって、右規定を根拠として、親族に支給された給与をそのまま必要経費として認めた場合に、恣意的な所得分割を行い税負担の軽減を図るおそれが生ずるという弊害を防止できるものでないことは明らかであり、これを白色申告者に類推すべき基礎を欠くから、右規定を類推適用して、青色申告者と同様に生計を一にする親族に支給した給与を必要経費として算入することはできない。
第三当裁判所の判断
一 所得税法五六条は、納税義務者と生計を一にする配偶者その他の親族が納税義務者の営む事業に従事したこと等により当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その納税義務者の当該事業に係る事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入しないとの原則を定めている。
これは、わが国においては、かねて個人事業と家計の分離が不明確な面があり、家族に対する給与支払の慣行が乏しく、個人企業の場合には家族ぐるみで家族の労働力や財産を共同で使用、管理して成り立つものが多いことから、適正な対価の認定を行うことが事実上困難であり、一方で所得税の税率が累進税率であることから、家族間における恣意的な所得分割によって不当に税負担の軽減が図られることを防止するために設けられたものと認められ、この原則自体合理的な根拠を有する。
二 これに対し、所得税法は、法人企業の場合の税務処理との権衡や青色申告制度の普及を奨励する見地から、例外として、青色事業専従者について、所轄税務署長に青色事業専従者の氏名、その職務内容及び給与の金額等の必要事項を予め届け出て、実際に支払った給与額で労務の対価として相当であると認められる金額全額を、青色申告者の事業に係る必要経費に算入できることを認めたのである(同法五七条一項)。
また、所得税法は、白色申告者の事業専従者については、法人や青色申告者と同様の正規の帳簿の備付け等が義務付けられていないこと、あるいは同法五六条の立法趣旨に鑑み、給与を実際に支払ったかどうかにかかわらず、一定の金額のみを事業所得等の計算における特別の控除額として制度上認めているのである(同条三項)。
三 原告は、所得税法二三一条の二の規定が、白色申告者に対して帳簿の備付け、保存等の義務を課していることを根拠として、白色申告者にも、同法五七条一項の類推適用をすべきであると主張する。
1 所得税法が採用した申告納税制度を適正に運営するためには、納税義務者が帳簿書類を備え付け、収入と支出を記載し、それを基礎として申告を行うことが必須であることから、同法は、帳簿書類を基礎とした正確な申告を奨励するために、法の定めるところにしたがって帳簿の備付け等をしている者に限って、特別の申告書を用いて申告することを認め、かつ、その申告には各種の特典を与えることとした。この申告が青色申告である。
青色申告は、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務を行う者であれば、所轄税務署長の承認を受けて行うことができるが、青色申告者は、大蔵省令で定めるところにより、帳簿書類を備え付けてこれに取引を記載し、かつ、その帳簿書類を保存しなければならない(同法一四八条)。すなわち、青色申告者は、原則として、所得を生ずべき業務に係る資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引を、正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならないのである。
また、青色申告者は、確定申告書に、大蔵省令で定めるところにより、貸借対照表、損益計算書その他の明細書を添付しなければならない(同法一四九条)。
2 一方、白色申告者は、青色申告に認められる特典を受けられない代わりに、課される義務についても、わずかに所得税法二三一条の二第一項等が、その年の前々年分又は前年分の所得金額の合計額が三〇〇万円を超える者に限って、帳簿を備え付けて、所得を生ずべき業務に係るその年の取引のうち、総収入金額及び必要経費に関する事項を簡易な方法により記録し、当該帳簿を一定期間保存しなければならないとしているに過ぎない。
また、白色申告者の事業専従者について、青色事業専従者について義務付けられているような、所轄税務署長に対する事業専従者の氏名、その職務内容及び給与の金額等の必要事項の事前の届出は求められていない。
3 所得税法五七条一項による青色事業専従者控除は、青色申告書に認められた特典の一つであり、前述のとおり、青色申告が申告納税制度の適正な実現に資することが大きいことから、青色申告に右のような特典を付与してこれを奨励することに合理性があることは明らかである。また、白色申告者が右のような特典を享受したいのであれば、所定の帳簿等を整備し、容易に、所轄税務署長の承認を受けて青色申告を行うことが可能なのである。
また、実質的な観点からみても、青色申告者には、前述のとおり、正規な帳簿の記載や、青色事業専従者に関する必要経費の届出が義務付けられていることなどから、労務の対価として相当な金額の認定を行うことが可能であるのに対し、白色申告の場合には給与支払の実態が確認しにくく、同法二三一条の二に定める帳簿の備付け等では、恣意的な所得分割を抑止する制度的な保障として十分とはいえない。
4 以上に鑑みれば、青色事業専従者と白色申告者の事業専従者の取扱いを分けた所得税法五七条一項、三項の規定には合理性があり、白色申告者について同法五七条一項を類推適用する余地はないというべきである。
したがって、本件において同法五七条一項の規定を類推適用すべきとする原告の主張は、何ら合理性がなく、採用することができない。
また、右条項を類推適用せずに、原告が妻に対して支給したとする給与額について、事業専従者控除として同条三項一号イに規定する八六万円を超えて必要経費に算入することを認めなかった本件各処分が、申告納税制度及び憲法一三条、一四条、一八条に違反しないことも明らかである。
四 以上によれば、原告が妻に支給したとして計上した給与額を、原告の事業所得の計算上、必要経費に算入することはできず、原告は、この点を除く被告の所得金額の計算については明らかに争わないから、原告の平成七年分及び平成八年分の各総所得金額及び納付すべき税額は、被告主張(前記第二の二1及び2)のとおりであることが認められる。
五 また、原告が申告した納付すべき金額は、本件各更正により納付すべきとされた金額よりも過少に申告していたものであり、被告は、本件各更正によって、原告が新たに納付すべき税額(国税通則法一一八条三項の規定により一万円未満の端数切り捨て。)に、同法六五条一項に規定する割合一〇〇分の一〇を乗じて算出した金額の過少申告加算税を賦課決定したことが認められ、本件各賦課決定は正当として是認することができる。
この点について、原告は、過少に申告したことについて善意・無過失であるから、過少申告加算税を課されるべきではない旨主張するが、原告のした申告及び計算は明文に反する独自の見解に基づくものであり、原告に同法六五条四項に規定する正当な理由が存しないことは明らかである。
なお、原告は、同法六五条一項に規定する過少申告加算税の算出割合が公定歩合や預金金利に比して高率に過ぎ、憲法一四条及び二九条に抵触する旨主張するが、そもそも過少申告加算税が申告納税制度の維持のために、適正な申告をしない者に対する行政上の制裁として課されることに鑑みれば、単純に公定歩合等と比較することは無意味というほかなく、原告の主張は理由がない。
六 以上によれば、本件各処分において納付すべきとされた金額は、いずれも被告主張の納付すべき金額の範囲内であるから、本件各処分はいずれも適法である。
よって、原告の請求はいずれも理由がないこれらを棄却することとし、訴訟費用の負担について行訴法七条、民訴法六一条を適用して、主文のとおり判決する。
(平成一一年六月一〇日口頭弁論終結)
(裁判長裁判官 永田誠一 裁判官 林正宏 裁判官 男澤聡子)
別表一
本件課税処分等の経緯(平成七年分所得税)
<省略>
別表二
本件課税処分等の経緯(平成八年分所得税)
<省略>